永遠の人

永遠のダルマ(真理) - 智慧と神秘の奥義

わたしは誰か?-真我探究の道(10)

前回、数十年前に起きたクンダリニーが目覚めた体験について書きましたが、その前後に、夢を見ているかのような不思議な体験が次々と起こりました。

それまで、スピリチュアルな本や情報に触れたことが無く、読んだ本は、文学や科学、心理学などで、宗教とも無縁な生活を送っていました。

それがある日突然に、不思議な能力が芽生えて、不思議な出来事が次々と起こり、そのことを誰にも相談できず、最終的に、二進も三進も行かない状態になり、「すべてを神に委ねる」という「自己放棄」が起こった後に、お腹の底からそれまで感じたことのない巨大なエネルギーが起こり、物凄いスピードで頭の方に駆け上がるということが起きた直後に意識を失い、意識が再び戻ったのは10日後でした。

その超常現象的な出来事が、何故起きたのか?、また、それは何なのか?は、不明のままでしたが、その時を境に、人生という大海を進んで行く航路がはっきりと大きく変化したことを実感したのでした。

 

当時は、全く知識が無かったため、それが、所謂、「クンダリニー」という人体に眠ったように存在している生命エネルギーの源の力(シャクティ)であることを知りませんでしたが、それが人間的な力ではないことは、よくわかっていました。

クンダリニーが目覚める前に、所謂、ESPが目覚めてしまったため、これは何か”尋常ではない”ことが、自分に起きていることは明らかで、全く未知なる経験に、その時は、全くどうしていいのか?わからない状態でした。誰かに言っても信じてもらえないのはわかっていたので、この先、自分はどうなるのだろう?と不安と恐れを感じ、何の情報もない状況の中で、精神的にも不安定な状態だったと記憶しています。

しかし、そんな状態も長くは続かず、程なく、最終的に、自分の知らない聞いたことも無い更に未知なる世界に自分を投げ出さざるを得ない状況となり、後先考えずに、その未知なる世界へと飛び込んだのでした。

 

それから数十年が過ぎ、ナーナ先生に出会った時には、自分に起きたことを冷静に判断できるまでになっていました。

ナーナ先生のお導きもあって、あれがクンダリニーの目覚めだったとわかってからは、短期間の間に、スルスルといろいろなことが手に取るようにわかるようになり、それまで抱いていた疑問への答えがあっという間にやって来るようになったのですが、その中でも、はっきりと明確になったことのひとつは、あの時に起きたことは、「明け渡し」(サレンダー)だったということでした。

 

今日ご紹介するシュリ・ラマナ・マハルシの御言葉通り、”わたしは誰か?”という問いに対する最終的な答えに行き着くには、最終的に、「明け渡し」(サレンダー)という通過門を通り過ぎることが必須だと言っても過言ではないと言えます。

 

もちろん、この一見自己にとっては過酷とも言える「明け渡し」(サレンダー)でさえ、神の慈悲深い恵み(恩寵)の顕れであることは、言うまでもありません。

そして、「明け渡し」(サレンダー)は、予想もしない時に、予想もしない形で起こります。

しかし、エゴ(マインド)のストップがかかっている間は、起きないようになっているとも言えるので、「自分のすべてを投げ出してもいい」と思えるようになるまでは、人間としてこの地球上で様々な体験や修行をしながら、人は誰でもその時のための準備をしていると言っても過言ではないのです。

 

それでは、早速、シュリ・ラマナ・マハルシの御言葉を見て行きましょう。

 

『質問者

「無条件の明け渡しとは何でしょうか?」

 

マハルシ

「もし自分で明け渡したならば、質問をしたり、教えられたりする人は、もはやそこにいないだろう。

すべての想念は、根本的想念である「わたし」を心にとどめることによって、あるいは至高の力に無条件に自己を明け渡すことによって消滅させられる。

真我を実現するには、この二つの方法しかない。」

 

質問者

「完全な明け渡しのためには、解脱や神への欲望さえも放棄するべきではないでしょうか。」

 

マハルシ

「完全な明け渡しのためには、自分自身のいかなる欲望ももたないことが要求される。

あなたは何であれ、神が与えてくれるものに満足しなければならず、それはつまり、あなた自身の欲望をもたないということを意味するのである。」

 

質問者

「今、このことはよく理解できました。

では、明け渡しを成就するための手段とは何でしょうか?」

 

マハルシ

「二つの道がある。

ひとつは、「私」の源を探り、その源のなかへ溶け去ることである。

もうひとつは、自分自身の力では、私はまったく無力であり、神のみが全能であること、そして彼に我が身を完全に投げ出す以外、他に救われる道はないと感じることである。

この方法によって、神のみが存在し、自我は存在しないという確信は徐々に深まっていく。

どちらの道も同じ目的地にあなたを導く。

完全な明け渡しとは、ジニャーナあるいは解脱のもうひとつの名前なのである。」

 

質問者

「明け渡しのほうがやさしいことがわかりました。

私はこの道を選びたいと思います。」

 

マハルシ

「いかなる道を行こうとも、あなたは自分自身を一者のなかに失わなければならない。

明け渡しは、あなたが「神のみぞすべてなり」「神の御心のままに」という境地に至ってはじめて完全なものとなるのだ。

その境地はジニャーナの境地と異なったものではない。

ソーハム(「私は彼である」という意味)のなかにはドヴァイタ(二元性)が在り、明け渡しのなかにはアドヴァイタ(非二元性)が在る。

だが、実在のなかにはドヴァイタもアドヴァイタも存在せず、ただ在るものが、在る。

明け渡しはたやすく見える。

なぜなら、ひとたび「私は明け渡します」と口にだして言えば、すべての重荷を神に背負わせ、あとは好きなことを好きなようにすることができると人びとは想像するからである。

だが事実は、明け渡したあとに好き嫌いを言うことなどできない。

あなたの意志は完全に不在となり、神の意志がその場を引き継ぐことになる。

このような自我の死は、結果的にジニャーナと同じ状態をもたらす。

それゆえ、いかなる道を行こうとも、あなたはジニャーナあるいは至高の一者にたどり着かなければならない。」

 

質問者

「自我を消滅させるための最上の方法は何でしょうか?」

 

マハルシ

「各人がそれぞれ魅力を感じ、最も易しいと思うものが最上の方法である。

すべての真我のなかに自我を融合させるという同じ目的地へとつづいている。

バクタ(帰依者)はそれを明け渡しと呼び、ヴィチャーラ(真我探究)に従事する者はそれをジニャーナと呼ぶ。

どちらも自我を、それが現われた源へと戻し、そこに融合させようと努力しているのである。」

 

質問者

「そのような探求者の能力を、恩寵が高めてくれるのでしょうか?」

 

マハルシ

「神にまかせなさい。

無条件に明け渡しなさい。

自分の無力さを認め、至高の力に救いを求めるか、あるいは不幸の原因を探ってその源へ向かい、真我のなかに溶け去るか、二つのうちのひとつが為されなければならない。

どちらの道を行こうと、あなたは不幸から解き放たれるだろう。

すべてを明け渡した者を、神はけっして見放さない。」』

(「あるがままに ラマナ・マハルシの教え」 デーヴィッド・ゴッドマン

 

 

 

 バラタ王家で最も秀れた人よ

離欲についてのわたしの判断を聞け

人類のなかで最も秀れた人よ

聖典は「離欲に三種あり」と説く

 

供犠 布施 修行に関する行為は

止めてはいけない 進んで行え

まことに この三つの行為は

賢者をも益々浄化するからである

 

だが これらの活動をするとき

執着なく 結果を期待せずに行え

当然の義務だと思って行うことだ

アルジュナよ これがわたしの結論である

(バガヴァッド・ギーター第18章4-6)

 

 

 

 

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