永遠の人

永遠のダルマ(真理) - 智慧と神秘の奥義

聖なる旅-目的をもって生き、恩寵を受けて逝く

これまで数回にわたり、スワミ・ヴィヴェーカーナンダと彼の師である聖ラーマクリシュナが遺されたお言葉より、抜粋してご紹介してきました正に同じことを、

今月3月30日に発売になりますスワミ・ラーマも彼の著書『聖なる旅ー目的をもって生き、恩寵を受けて逝く』の中で述べていますので、ご紹介させて頂きます。

 

ウパニシャッドにおける傑出した優れた教えのひとつは、現象としての宇宙は創造と
いうより顕れであるということです。

ひとつの絶対的な実在が多くのものの中に顕れてきました。

これは創造から分離している創造者という西洋的な考えとは違っています。
二元性はウパニシャッドの教えにおいては、完全に捨てられています。

E k o ’ h a mb a h us y a m。ここにもあそこにも、すべてのところに、ただ〝ひとつ〞が在るだけなのです。
〝ひとつ〞とはブラフマンであり、実在、または純粋意識です。

ブラフマンは実在であり〞〝世界のはかない物は非実在である〞とウパニシャッドは述べています。

ブラフマン以外のすべては錯覚です。

ブラフマンは生命の源であり、光であり、存在そのものなのです。

人生の目的はこの真理を悟ることにあります。
ほとんどの人々は、世界にある対象物の中に幸福を求める傾向があります。

一方、ウパニシャッドでは、幸福は世界にある物の中には見つけられることはないと私たちに語っています。

人間関係を含むこれらのことはあっという間に過ぎ去り、過ぎ去るものは永遠の平和や喜びをもたらすことができません。
ウパニシャッドは私たちに、永遠のものを見つけるために自分の内側を見るようにと
言っています。

〝人は外にあるものを見、内にあるものを見ない〞とウパニシャッドは言っています。

〝不死なるものを求める人は稀である。

自分の外にあるものに目を閉ざし、真の自己を見る。

愚か者は肉の欲望に従い、死を取り囲むすべての誘惑に陥る。

しかし、永遠なるものとしての自己を知る賢者は、過ぎ去るものを求めない〞
これは、聖パウロがコリント人に宛てた手紙に書いたこととよく似ています。

彼は人生のすべては霊的な成長のためにあると彼らに思い起こさせました。〝すべてのことはあなた方のためなのです〞と彼は言いました。

〝それらを賢く使いなさい。人生は短い〞
〝たとい私たちの外なる人は衰えても、内なる人は日々新たにされています。

見えるものは一時的であり、見えないものはいつまでも続くからです〞
イエスは、同じように山上の垂訓で彼の弟子たちを導きました。
〝自分の宝を地上にたくわえるのはやめなさい。

そこでは虫とさびで、きず物になりまた盗人が穴をあけて盗みます。

自分の宝は、天にたくわえなさい。

そこでは、虫もさびもつかず、盗人が穴をあけて盗むこともありません〞
〝あなたの宝のあるところに、あなたの心もあるからです〞
人生の目的は、外側にあって過ぎ去るものと、内側にあって永遠なるものとの違いを
知り、実践と経験を通して、他方に対する片方の無限の価値を発見することです。

ひとたびこの違いが理解されると、人生は歓びに満ちた意味を持つようになり、死の恐れは消えます。
ウパニシャッドは、また、ヴェーダンタ、あるいは、ヴェーダの後半部分として知ら
れており、それ自体、最も高い目的を表現しているものですが、それは個人の魂を束縛
から自由にする究極の智慧に達するためのものです。』

『生と死の秘密は、私たちの真の自己は何であるかを知ろうとする探求だけを含んでい
るわけではありません。

この神秘を解明することは、私たちの行動、言葉、考え、そして、どのように、またどうして、私たちがこれらの行動をとり、ある言葉を発し、特別な考えを考えるのか、をも含んでいます。

ある方法がとられると、私たちの行動は、地球的な人生や誕生と死の終わりのないサイクルに私たちを束縛することができます。

別の方法がとられると、行動は、人生における喜びと死を超えた勝利を創造します。
あなたがこの人生を選択したことを思い出しなさい。

あなたは、あなたの旅においてこの発見の瞬間に向かって移動してきました。

これは最も霊的な前進を遂げるためのあなたが世界に住む完璧なる時間です。

あなたの人生における人々、あなたの両親、子どもたち、伴侶、友人たち、同僚たちは、あなたの成長にとっては完璧なのです。

瞑想は、探求者を、習慣、願望、恐れが生きている感覚と限られた心の層を通過させ、
不滅であるそれと対面することになるサマディの超越意識の状態に導きます。

アートマンが悟られると、探求者は、一時的なこの世の状態である苦しみや喜び、哀しみや惨めさを超越します。

アートマンがいるところには、死は近づくことができません。

アートマンは絶対的な存在の王国であり、永遠の王国であり、私たち内面の深さと同じ程度に離れているだけなのです。』

 

『生と死は、同じ事実にとっての異なる名前であるだけです。

それは、ひとつのコインの 2 つの面です。

このような区別を超えることができる人は、死を克服し、彼岸、すなわち、永遠の生命に到達することができます。

アートマンが不死であるという基本的な真理を理解する人は、死の神秘を解き明かすことができるのです。

サマディを達成した人々は、まさに今生のここで、死後の生を経験することができます。

自らの真の自己を悟った人は、不死なのです。』

(聖なる旅ー目的をもって生き、恩寵を受けて逝く スワミ・ラーマ)

 

アートマン(真我)という単語は、日本人にはこれまであまり馴染みがない言葉ですが、”内在神”と訳すことができる私たち人間の内部(内側、心)にいらっしゃいます「神」のことです。

 

そして、その内在神であるアートマンブラフマンという”ただひとつなる一者”とは、同じ一つのものである、ということになります。

 

それが、所謂、梵我一如(アドヴァイタ=不二一元論)と言われているモノです。

 

私たちは、アートマンであり、すなわち、ブラフマンなのですが、そうは思えない、というのが一般人の感想でしょう。

 

この”分離感”を生じさせているのが、エゴという”わたし”という感覚、意識です。

 

次回から、このエゴについて、エゴの正体について、エゴとは何なのか?について、明らかにしていこうと思います。

 

神秘の扉の向こうに行くには、このエゴという扉が邪魔をしています。

 

自分と「神」を隔てている仕切りとなっているこの「エゴ」について正しく知ることは、「エゴ」という仕切りを消滅させるのに、ひと役かってくれることでしょう。

 

 

☆ 上でご紹介いたしました『聖なる旅ー目的をもって生き、恩寵を受けて逝く』は、Amazonから先行予約ができるようになっています。
 
 
また、全国の書店を通してご注文の上、ご購入して頂くことも可能です。
定価は、1,600円(+税)です。
 
どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

『本書は、ヒマラヤにある僧院で、師(グル)の教えに従い、ヨガ体系の様々な修養を修め、その後、師の勧めに従い、東洋の教えを西洋に伝えるべく渡米し、東洋と西洋の橋渡しを務めたスワミ・ラーマが著した30冊余りの著書のうち最後に出版されたものです。
カタ・ウパニシャッドを題材に、死神ヤマと霊性の探求者であるナチケータとの対話を通して、人類にとって最大の謎である生と死の秘密が、次第に明らかになって行きます。
生と死、神と人間、カルマとダルマ、肉体と心について、など、人間が抱く様々な疑問への答えが、ウパニシャッドとヨーガの叡智を通して、それらの知識がない現代人にも分かり易く、明確に説かれています。
(ウパニシャッドとは、インドに誕生し、古くは口伝により、その教えを受けるに相応しい人々にのみ伝えられ現在まで継承されてきた人類史上最も古い霊的な啓示とされているものです)』

Amazonの書籍紹介文より)

 

 

 

アルジュナ

至上主(かみ)は全生物の胸に住み

かれらの行動を指揮する

御者が馬車を動かすようにーー

(バガヴァッド・ギーター第18章61)