プラーナについて(7)
プラーナについて理解していく上で、欠かせないのが、霊体(アストラル体)と呼ばれる微細体についての知識です。
プラーナは、眼には見えないので、肉体次元である物質次元のものではありませんが、確かに存在しています。
ここで、思い出して頂きたいのは、以前の記事でご紹介しましたウパニシャッドにおける「人間五臓説」における、食物鞘(肉体)、生気鞘(生命エネルギー)、意思鞘(感情)、理智鞘(理性)、歓喜鞘(真我)という人間を5つの鞘で覆われた存在として、包括して捉える構成図(見取り図)です。
アストラル体、メンタル体、コーザル体という呼び方は、19世紀の西洋で誕生した「神智学」における呼称であり、インドで誕生したウパニシャッドでは古くから、生気鞘、意思鞘、理智鞘と呼んでいます。
神智学が説くスピリチュアルな考えは、インドのウパニシャッドで説かれているものを、19世紀になってから、西洋に取り入れたもので、オリジナルの考えは、インドで約2000年以上も前に発見されていました。
それでは、プラーナを理解するために最低限必要な知識を得るために、人間を5つの層から成る多層構造の存在として考えた場合の詳細な見取り図を、スワミ・シヴァナンダの解説から抜粋してご紹介したいと思います。
人間は、私たちが知っている肉体次元だけでなく、全部で5つの多層構造になっていることが、よくおわかり頂けることと思います。
人間におけるこの多層構造を理解できて初めて、プラーナという目に見えないエネルギーについての理解が深まると言えるでしょう。
『ナディーは霊的な物質から作られている管で、プラーナが流れる通路のことだ。
ナディーは霊視によってしか見ることができない。
ナディーと神経とは別のものである。
人体には7万2000本のナディーがあり、イダー、ピンガラ、スシュムナーがそのうちの重要なもの。
中でも、最も重要なのがスシュムナーだ。
スシュムナーはナディーの中で最も重要なものである。
それは、宇宙の支えであると同時に、宇宙への道であり、救いへの道でもある。
スシュムナーは、肛門の後ろから脊髄に沿って頭部のブラフマランドラ(梵の座、サハスラーラ・チャクラ)まで伸びている目に見えない精妙な管のことだ。
ヨーギにとって本当の意味での活動が始まるのは、スシュムナーが機能し始めた時からだ。
スシュムナーは脊柱(脊髄)の中心を通っている。
生殖器の上部、臍の下部に位置するカンダ(丹田)は鳥の卵のような形をしており、数にして7万2000本といわれるナディーのすべてが、ここを起点にしている。
このうち一般的に知られているのは72本で、そのうちのイダー、ピンガラ、スシュムナー、ガーンダリー、ハスティジフヴィカー、プーシャー、ヤシャスヴィニー、アランプーサ、タフー、シャンキニーの10本がプラーナを通す主要な10本だといわれている。
ヨーガはナディーとチャクラについての知識を持たななくてはならない。
イダー、ピンガラ、スシュムナーはプラーナを通す管で、それぞれ月、太陽、火という神に対応するといわれている。
スシュムナー管の中でプラーナが動く時は、瞑想のために座ろう。
そうすれば、深いディヤーナ(瞑想)を得ることができるだろう。
渦巻状のエネルギーであるクンダリニー(先天の源気)がスシュムナーに沿って上昇し、チャクラからチャクラへと昇って行く時、ヨーギは様々な経験、力、至福を得る。
背骨に沿って、左右に、一本ずつの神経の流れが走っている。
左はイダー、右はピンカラと呼ばれるナディー(プラーナの通路となる管)がある。
イダーとピンガラを左右の交感神経であると推論する人がいるが、実際には、プラーナを運ぶ精妙な管のことをいう。
月はイダーの中を動き、太陽はピンガラの中を動く。
イダーは冷やし、ピンガラは熱す。
イダーは左の鼻孔を流れ、ピンガラは右の鼻孔を流れる。
一日のうち息をする時、私たちは右の鼻孔から1時間、その後左の鼻孔から1時間というように交互に鼻孔を使っている。
息がイダーとピンガラを通して流れている間、人は忙しく世俗の活動を行っている。
息がスシュムナーを通して流れ始めると、現実の世界には反応しない死の状態が訪れ、人はサマーディ(三昧、涅槃、煩悩を断じて絶対的な静寂に達した状態)に入る。
プラーナをスシュムナーに通すため、ヨーギは技量の限りを尽くす。
スシュムナーは、中央のプラフマ・ナディーとしても知られており、その左にはイダーが、右にはピンガラが位置する。
月はタマス(暗性)、太陽はラジャス(活動性)の性質を持つ。
また、毒は太陽に属し、甘露は月に属する。
イダーとピンガラは時を知らせる。
しかし、スシュムナーは時を消滅させる。
クンダリニーは蛇のパワーもしくは眠れるシャクティ(霊性を進化させる力)として、脊柱の基底部のムーラダーラ・チャクラに位置していて、3回半渦を巻いて、顔を下に向けている。
このクンダリニーが目覚めない限りサマーディはあり得ない。
プラーナヤーマの実習では、クンバカ(止息)が生み出す熱によってクンダリニーが覚醒し、スシュムナーに沿って上昇する。
この時、実習者は多種多様のビジョンを体験する。
6カ所のチャクラを通ったクンダリニーは、最終的には頭頂部のサハスラーラ、または千の花弁を持つ蓮と呼ばれるチャクラに達し、そこを座とするシヴァ神(ヒンドゥー教三大神の一人、魔神を退治する“破壊と幸福の神”としての一面と、帰依者に恩寵を授ける“恩恵の神”としての側面がある)と一体になる。
これがニルヴィカルパ・サマーディの達成であり、ヨーギは開放と神聖な精神的富を得る。
ここに到達するには、呼吸の制御と共に、精神の集中をも訓練しなければならない。
クンダリニーが覚醒してマニプラ・チャクラ(第3のチャクラ・腹腔=太陽神経叢、腹部における自律神経の重要な中心であり、肉体生命の素であるプラーナの受容、分配を支配し制御)まで上昇したとしても、再びムーラダーラ(第1のチャクラ 仙骨神経叢、“根を支えるもの”を意味する)へと下降してしまうことがある。
その場合は、再び上昇させるよう努力すること。
クンダリニーを覚醒しようと試みる者は、その前に、完全に無欲で、世俗的な楽しみに無関心でなければならない。
クンダリニーは糸状で、きらきらと輝いている。
クンダリニーが覚醒すると、シューという音をたてて、スシュムナーの入り口に入る。
ちょうと、蛇が棒に打たれた時に出すような音がする。
そして、チャクラからチャクラへとクンダリニーが上昇するにつれ心の層が一枚一枚と開かれていき、ヨーギは多様なシッディ(霊的能力)を身につけることができる。』
(プラーナヤーマの科学 スワミ・シヴァナンダ)
修行者にはグル(師)が必要である。
独力で何年間も修行する人がいるが、あとになってグルの必要性を切実に感じるはずである。
修行途上で何らかの障害に出会う。
いかに先に進めば良いのか、障害の取り除き方がわからない。
そこで、グルを探し求めるのである。
この傾向はヨーガの修行で特に顕著である。
グルの役割は、グルとしての洞察力でそれぞれの弟子の本来の傾向を見極め、最善の修行道、魂が崇高に発達する道に導くことである。
イーシュワラ(神)はグルの中のグルである。
神は、無知な魂の、無知の覆いを取り除いて祝福する。
修行者は、肉体を持ったグルに対して、グルのグルである神の顕現だと信じ、神同様の崇拝の念を払う。
肉体を持つグルは、弟子にもたらされるすべての良い出来事、幸福の源となる。
一方弟子は、グルの願望や命令に従うことが最高に重要であり、グルを信頼し、ひたむきにゆだねることを知らねばならない。
心の秘密をグルに打ち明ける。
より多く打ち明ければ、それだけ多くの慈愛を得る。
これは、罪や誘惑に対抗して闘う力となってくれる。
オレンジを人にあげ、また取り戻すことができるように、神聖な霊能力を分け与えることができ、また取り戻すことができる。
この神聖な力を伝達する方法は、シャクティ・サンチャーラ(グルから弟子へのパワーの伝達)と呼ばれる。
鳥、魚、亀などが互いに合図するように、グルは、弟子に手で触れる、視線を投げる、意志や思考をするだけで、神聖な力を伝授することができる。
時には弟子のアストラル体の中に入って、弟子の心を高揚させることもある。
弟子を前に坐らせ、目を閉じるように言い、そして、神聖な霊能力を伝授する。
その時弟子は、実際には電流がムーラーダーラ・チャクラから上に昇り、喉、そして頭頂部へと流れるのを感じる。
得たインスピレーションだけで、特別の指導も受けずに、ハタ・ヨーガのアーサナ、プラーナヤーマ、パンダ、ムドラーなどを自分で行えるようになる。
ここで、大宇宙の力が働く。
弟子はイッチャー・シャクティを押さえてはならない。
内なる光に従って行動する。
心は非常に高められる。
修行者が目を閉じるとすぐ、瞑想が自然にやって来る。
グルの慈愛で弟子に宇宙のパワーが伝達され、クンダリニ―が覚醒されたのである。
グルは、実際に弟子へ神聖な能力を送るのである。
真のグルの神聖な波動が弟子の心に伝えられる。
ラーマクリシュナは、スワミ・ヴィヴェーカーナンダに、実際に神聖な力を伝授した。
キリストも、弟子たちに神聖な能力を与えた。
これが、「グルの霊的タッチ」と呼ばれるものである。
ラームダースの弟子は、自分の力を、自分に熱烈にいい寄って来た踊り子に与えた。
この弟子はその娘をじっと見つめ、娘にサマーディを与えた。
すると娘の情熱は消えうせ、とても信心深い娘になった。
聖者ムクンダ・ライは、回教の王をサマーディに到達させた。
グルの慈愛で、ヨーガの八段階を達成する。
大宇宙の純粋意識で、永遠のヨーガの完成を達成する。
(ヨーガと空の科学 スワミ・シヴァナンダ)
全世界を照らす太陽の光は
わたしから発しているのである
そして月の光も火の輝きも
すべてわたしから発しているのだ
わたしは各個の天体(ほし)に入り
わたしのエネルギーで彼らは軌道を回る
わたしは月となって大地の野菜を育て
彼らに滋味ゆたかな水を与える
わたしは生物の体に入って
生命力の火となり
呼気(プラーナ)と吸気(アパーナ)に合して
四種の食物(飲む、噛む、舐める、吸うもの)を消化する
(バガヴァッド・ギーター第15章12-14)
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☆自己変容したい人
☆真理を体得したい人
☆束縛から解放され真の自由を得たい人
☆真我の目覚めを体験したい人
☆神の直接体験に与りたい人
など、魂の最終的な目的地に到達したい方々のために、
クンダリニー覚醒されましたシュリ・ナーナ先生から放たれるシャクティ・プラーナの恩寵に与るサットサンガ(真我の集い)、個人セッションが、毎月、各地で開催されています。
詳しくは、シュリ・ナーナ先生の公式ホームページをご覧下さい。
http://pranahna.com/ (真我が目覚めるとき――シュリ・ナーナ先生の公式HP)
☆シャクティ・プラーナによるシャクティ・パータは、サットサンガに6回以上参加した後、シュリ・ナーナ先生の個人セッションにて受けることができます。
☆また、サットサンガに6回以上参加されると、パートナーのキヨ先生の個人セッション、チャクラの浄化(活性化)セッションとサードアイ開眼セッションを受けることができ、自分の体にあるチャクラ(の強弱)を実際に体験し、浄化し、活性化することができます。
チャクラを浄化し、活性化することで、チャクラ周りの器官から放出されるエネルギーの生き生きとした循環が促され、身体における覚醒への準備を促すことができ、目覚めへの準備を整えることができます。
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