永遠の人

永遠のダルマ(真理) - 智慧と神秘の奥義

チャクラについて(33)-サハスラーラ・チャクラ(第7チャクラ)

これまでの記事で、左脳を損傷したことにより、左脳と右脳の働きの違いを、身を以って体験した脳科学者、ジル・ボルト・テイラー博士の著書「奇跡の脳」より、

左脳と右脳の働きの特性を知り、それぞれの働きの違いを利用することで、「自己」に対する理解をより深めると同時に、

それらの智慧を人生を生きることに活用することも可能だということを、ご紹介してきました。

 

今回は、更に踏み込んで、具体定な実践方法、彼女がやってみて効果があった日常生活において誰でもできる実践方法について、ご紹介したいと思います。

 

 

『世の中には、どれひとつとして同じ脳は存在しません。

でも、わたしの脳にとって真実だと思われることをあなたに教えてあげたい。

自分がどんなふうに周囲のエネルギーに影響を及ぼしているかに気づけば、自分に降りかかるできごとをコントロールできるようになる。

人生で何が起きているのかを監視するために、わたしはまわりの世界で何が起きていて、何が起きていないかに、すごく気をつけています。

自分の身に何がふりかかるかに応じて、事態のなりゆきに責任をもち、意識的になりゆきを微調整するのです。

これは、自分にふりかかるすべてのことを完全にコントロールしている、という意味ではありません。

むしろ、そうした出来事についてどう考えたり、感じたりするのかをコントロールしているのです。

たとえ不愉快な出来事でも、右の脳の領域に一歩踏み込んで、共感をもってあたれば、人生の価値ある教訓として受け止めることができます。

左脳マインドの言語中枢と物語作家が正常に機能するようになったことで、わたしの心はありえない話をするだけでなく、マイナスの思考パターンにつながろうとするようになりました。

マイナスの思考や感情が頭の中で反響してしまうループから逃れる第一歩は、どんなときにそういうループにつながるかを知ること。

脳が話しかけてくることに自然に耳をかたむけることができる人もいます。

でも、わたしのカレッジの学生の多くは、脳が話していることを観察するだけで、すごく頭が疲れてしまうと文句を言います。

冷静な第三者の目で頭の話を聞くためには、それなりの訓練と忍耐が必要になるでしょう。

しかしいったん、そのことに気づいてしまえば、あなたは物語作家が捏造する厄介なドラマやトラウマを自由に超えて行かれるようになるのです。

脳がどの認知のループを働かせているかに気づくようになれば、次に、そうしたループがからだの中で生む生理的な感じに焦点を合わせます。

警戒しているの?目はまん丸になってる?呼吸は深い?浅い?胸は苦しい?頭はスッキリしてる?胃の調子は悪い?そわそわしたり、心配したりしてる?貧乏ゆすりしてる?

恐怖や心配や怒りのループは、さまざまな刺激によって誘発されます。

ですがひとたび誘発されると、それぞれの感情は予測されうる生理的な反応を示すため、意識的に観察することが可能となります。

脳がとても批判的で非生産的な、あるいは制御不能のループを働かせているとき、わたしは感情的・生理的な反応が去っていくのを90秒間じっと待ちます。

それから、脳を子どもの集まりみたいなものだとみなし、誠意をもって話しかけます。

「いろんなことを考えたり、感じたりするあなたの能力はありがたいわ。

でもわたし、この考えや感じには、あまり興味がないの。

だから、もうこの話はおわりにしてちょうだい。」

ようするに、特殊な思考パターンとのつながりを断ち切るよう、脳に頼んでいるわけです。

もちろん、人によって頼み方はちがうでしょう。

たとえば、「キャンセル!キャンセル!」という人もいるかと思えば、「オレは忙しんだよ!」と叫ぶ人もいるでしょう。

あるいは、「充分、充分、もう充分だから!いい加減に止めて!」という具合に。

けれども、自分の内部の声で考えを表明するだけでは、仕事をこなすことに実眼になっている物語作家にわからせるには充分じゃありません。

わたしは、言葉に適切な感情をこめて、情緒たっぷりに物語作家に語りかければ、もっと話が通じることを発見しました。

脳が聞く耳をもたないようなときには、メッセージに何か「動き」の要素をつけくわえます。

人差し指を降りまわしたり、両手を腰にあてて仁王立ちしてみたり、母親が子供を叱る場合、言いたいことに情熱をこめて、身振りを交えるなど、いろいろな方法で同時にメッセージを伝えたほうが効き目がありますよね。

脳とからだの中の細胞の99.999%は、わたしが幸福で健康で成功することを望んでいるはずです。

でも、ほんの一握りの物語作家は、わたしが喜ぶことと無条件につながっておらず、内なる安らぎの感覚を台無しにする可能性をもつ思考パターンばかり試そうとするのです。

この細胞のグループを、いろんな名前で呼んでいます。

わたしが好きな呼び名はこんな感じ。

「ピーナッツ・ギャラリー」(劇場の最上階最後部席)、「役員会の面々」、「ちっぽけなクソ委員会」などなど。

この連中は頭の中の言葉を使って、悲観に満ちたループを走らせることに情熱を燃やします。

この連中は、嫉妬、恐れ、怒りといったマイナスの属性を利用します。

この連中は、しつこく泣いて、不平を述べ、あらゆることがいかに酷いかをみんなに言いふらすのが生きがいなのです。

細胞が傍若無人で手に負えなくなると、わたしは(頭の中ではなく口から出る)声で、ピーナッツ・ギャラリーに厳しいタイム・スケジュールを課します。

左脳マインドの物語作家に、午前9時から9時半までと、午後9時から9時半までのあいだは好きなだけぼやいてもいいわよ、と言い渡すのです。

物語作家がうっかりその時間を忘れても、次の割当時間までは、ぼやきは禁止。

こうすると、細胞たちはマイナス思考のループにつながっちゃだめよ、という真剣なメッセージをすぐに読み取るようになりました。

でも、わたしは我慢強く、しっかりと、どの回路が脳の中で働いているかに目を光らせていなくてはいけないのです。

 

左脳マインドを回復させることは、わたしがふたたび、すべての細胞に発言権を与えることを意味していました。

ですが健やかな精神を守るためには心の庭を育て、マイナス思考の細胞を見張っておく必要があるのです。

物語作家には、わたしが望むことと許せないことについて、ちょっとした躾が必要です。

コミュニケーションが円滑になったので、この特殊なグループの細胞で起きていることに対して、わたしの本当の自己はきちんと注文をつけることができるようになりました。

望ましくなかったり不適切な思考パターンには、ほとんど付き合いませんでした。

そうは言っても、躾に反応する物語作家の滑稽なふるまいには、思わず吹き出しそうになります。

マイナス思考の細胞たちは、幼い子供のように私の言うことを聞かず、わたしがどれくらい本気なのか試そうとするのですから。

いったん、静かにするように言われると、細胞たちは一瞬だけ沈黙し、またすぐ禁じられた回路を作動させます。

他のことを考える欲求が弱かったり、新しい思考回路を意識的に始めないでいると、招かざるループはふたたび勢いを盛り返し、心を独占し始めます。

そんな細胞の活動に対抗するため、意識を振り向けるべき三つのリストが必要に応じて用意してあります。

(1)魅惑的で、もっと深く考えを巡らせたいことを思い出す。

(2)ものすごく楽しいことを考える。

(3)何かやりたいことを考える。

自分の心を変えたくてたまらないとき、わたしはこの三つの武器を利用するのです。

からだが疲れていたり、精神的に参った状態にあるとき、つまり、油断しているときを狙って、否定的な思考回路が人を傷つけようと頭をもたげることに気づきました。

脳が言っていることに注意し、その考えがからだにどのような感覚をもたらすかに気づけば、自分が本当は何を考えたり感じたりしたいのか、意のままに選べるようになります。

もし内なる平和を保ちたいなら、ぶれることなく、いつでも心の庭を育てなければなりません。

そして、一日に何千回も、決意を新たにする必要があるのです。』

(奇跡の脳  ジル・ボルト・テイラー

 

 

これまで、脳科学の視点から、人間の「心」について見てきました。

 

「心」は、生理学的に見れば、脳の働きなので、脳科学における解説は、人間の「心」の仕組みを理解する上で、客観的な視点から書かれているので、誰でも、思い当たることが多いかと思います。

特に、左脳と右脳の働きの特徴を知り、自分の脳内で起きていることに対する理解を深めることは、いろいろな意味で、多くの示唆を私たちに与えてくれるものと感じます。

 

次回は、今回ご紹介したこのジル・ボルト・テイラー博士が、自らの体験から得た「心」の仕組み、メカニズムについて、

同じことが、ヨーガ、及び、インド最古の哲学であり、神聖なる啓示が書かれているとされているヴェーダ聖典の観点から、どのような表現で、解説されているのか?を見てみたいと思います。

 

 

 

物質界における最高の星界から最低の星界

生死をくりかえす苦悩の住処だ

しかしクンティーの子よ わたしの住処に来た者は

決して物質界に再生することはない

(バガヴァッド・ギーター第8章16)