永遠の至福と自己実現（Self-realization)（２）
前回の記事は、アートマンの本質的な性質（私たちの本性）についての簡単な要約でしたが、この己の中に内在する真の自己であるアートマン（真我）を体験を通して識る（悟る）ことを、ヨーガの世界では、自己実現（Self-realisation)、或いは、真我実現と言います。
これは、ヨーガの最終目標であり、と同時に、人生の最終的な究極の目的でもあると書きましたが、この自己実現（Self-realisation)の体験が、何を意味するのか？、この体験を通して、個人に何が起こるのか？について、スワミ・シヴァナンダ（Swami Sivananda）は、「Bliss Divine」の中で、次のように述べています。
What Moksha Implies （解脱が意味するもの）
真の自己との一体（ワンネス）、又は、存在との一体（ワンネス）が実在であり、この実在の実現が、解脱（モクシャ）であり、解脱とは、分離した存在を構成する障壁の崩壊である。
解脱は、「在る」という絶対的な状態であり、そこにおいては、すべてに浸透しており、すべてに充満している意識の統合が、掌の中に見るオレンジのような確かさをもって認識される。
解脱は、束縛という現状からの解放の達成ではなく、既に在る解放の実現であり、束縛の誤った観念からの自由である。
個別の魂は、不可知（アヴィディア・Avidya）の力によって引き起こされた無知のために、束縛されていると感じている。
思い違いによって引き起こされた誤った信念が、アートマンの智慧によって取り除かれると、解脱の状態が、正に今生で、その時、そこで実現される。
それは、死後に生じるのではない。
思い違いの原因は、人間の中にある願望であり、願望は、思考の波を生じさせ、思考の波は、至福に満ちた不死であり永遠の存在である魂の真の性質を覆ってしまう。
丁度、自分自身を知らずに、自分自身に到達できないように、ブラフマンに到達することはできない。
ブラフマンの智慧は、絶対的で直接的であり、直感的な体験である。
（Bliss Divine by Swami Sivananda）
次回に続きます。
Hari Om Tat Sat
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