永遠の人

永遠のダルマ(真理) - 智慧と神秘の奥義

チャクラについて(30)-サハスラーラ・チャクラ(第7チャクラ)

今回は、脳卒中により、左脳を損傷したことで、右脳の機能だけで過ごした体験を経て、その後、左脳の働きを取り戻したジル・ボルト・テイラー博士の著書「奇跡の脳」より、

通常、両脳が同時に働いている(ことになっている)私たちには、およそ想像もつかない右脳と左脳の働きの違いについて、非常に詳しく書かれている部分がありますので、ご紹介したいと思います。

 

ジル・ボルト・テイラー博士の奇跡の体験によって導き出された右脳と左脳の働きの違いを知ることにより、自分の脳に起きていることを理解し、第7チャクラのサハスラーラ・チャクラについての理解を深めていきたいと思います。

 

まず、今回は、右脳の働き(右脳マインド)について、ご紹介いたします。

 

 

『大脳の左右の半球のそれぞれで、どんな情報が処理されているか(あるいは、処理されていないか)にかかわらず、自分全体を、ひとつの心をもった、統一された存在として体験していることは、充分にわかっているつもりです。

そもそも意識とは、機能している細胞による集合的な意識にほかならないとわたしは考えています。

そして大脳半球の両方が補い合い、継ぎ目のないひとつの世界という知覚を生じさせるのだと、確信しています。

もし、顔を見分ける細胞と回路が正しく機能していれば、あなたのことを顔で認識することができます。

もしそれがなければ、あなたの声や癖や歩きぶりといった他の情報を利用して認識するでしょう。

もし、言語を理解する細胞の回路が無傷なら、あなたの話を聞くことであなたを理解できます。

自分が誰でどこに住んでいるかをいつも思い出せる細胞と回路が破壊されると、わたしは自分自身を永遠に見失ってしまうのです。

(これは、そういった特殊な機能を他の細胞が肩代わりしない場合の話です)

ちょうどコンピューターにワープロのプログラムがなければ、文書作成という機能を実行できないのと同じです。

右脳と左脳はそれぞれユニークな特徴をもっており、ちがったやり方で情報を処理するわけですから、それが別々の価値体系となってあらわれ、結果的に非常に異なる人格が生じるのは、あたりまえかもしれません。

左右の脳が持つ両方の性格を育て、脳の両側の機能と個性をうまく利用し、人生の中で両方がお互いに支え合い、影響し合い、調節し合うようにできる人もいます。

でも、ほとんどの人は、どちらか一方に考え方が偏り、常に分析し、批判的になり、柔軟さに欠けるパターン(極端な左脳状態)を示すか、あるいは、周囲とほとんど現実を分かち合うことなく、ほとんどの時間を「うわのそら」(極端な右脳状態)で過ごしています。

二つの性格のあいだの健全なバランスを生み出すことによって、初めて、変化に対して柔軟に対応できる(右脳)認知力を持ちながら、同時に道を踏み外さず具体的に行動できる(左脳)ようになります。

与えられた認知能力を100パーセント大切にし、うまく使うことにより、まさに「生命の傑作」とも言えるわたしたちに見合った人生への道が開けます。

決意さえすれば、慈愛に満ちた世界をつくることが可能なのです。

悲しいかな、わたしたちの社会では思いやりが示されることは滅多にありません。

「間違った」あるいは「悪い」判断をした自分や他人を見下げたり、侮辱したり非難することばかりに、あまりにも多くの時間とエネルギーを費やしてしまうのです。

あなたは自分自身を厳しく責め立てるとき、こんな質問をしたことがありますか?

「あなたの中の誰が怒鳴っているの?あなたは誰に対して怒鳴っているの?」

こうした否定的な思考パターンには、内なる敵意と不安の増加を助長する傾向があることに気づきませんか?

さらに厄介なことに、心の中での否定的な対話が、他の人たちへの態度にも、ひいてはあなた自身の魅力にも悪い影響を及ぼすことに気づいたことがありますか?

生き物として、わたしたちは底知れぬほど強力です。

神経ネットワークは、ニューロンが他のニューロンとコミュニケーションをとる回路からできているので、そのふるまいは充分に予測できます。

特定の回路に意識的な注意を払えば払うほど、あるいは特定の思考により多くの時間を費やすほど、そういった回路や思考パターンは、外部からのほんのちょっとの刺激によって容易に働くようになります。

わたしたちの心は、高度に進んだ「求めよ、さらば与えられん」式の器械なのです。

心は、探しているものに集中するようにできています。

もし世界の中で赤を求めようとすれば、それをどこでも見つけられるようになります。

最初は見つけにくくても、ずっと赤を求めることに集中していると、意識せずとも赤をいろんなところで見ることになるのです。

脳の左右の人格は、物事に対して違う考えを持つだけでなく、感情を処理し、すぐにわかる方法でからだを動かします。

肩のすぼめ具合で誰が部屋に入って来たかわかるし、額のしわの深さで何が起きているかを知ることができます。

右脳はすべて、「いま、ここで」に関係しています。

それは歯止めなく熱狂し、はねまわり、どうなろうと知ったこっちゃありません。

よく微笑み、やたらとフレンドリーです。

それと比べて、左脳は細部で頭が一杯で、分刻みのスケジュールで人生を突っ走ります。

左脳はクソ真面目なのです。

歯ぎしりしながら、過去に学んだことに基づいて判断を下します。

一線を超えることなく、あらゆる事を「正しい・間違っている」、あるいは「良い・悪い」で判断します。

あ、それから、その判断はわたしの場合眉の形に現れるんですよ。

右脳はとにかく、現在の瞬間の豊かさしか気にしません。

それは人生と、自分にかかわるすべての人たち、そしてあらゆることへの感謝の気持ちでいっぱい。

右脳は満ち足りて情け深く、慈しみ深い上、いつまでも楽天的。

右脳の人格にとっては、良い・正しい・間違いといった判断はありません。

これを右脳マインドと呼ぶことにしましょう。

ですから右脳マインドでは、あらゆることが相対的なつながりの中にあるのです。

ありのままに物事を受け取り、今そこにあるものを事実として認めます。

昨日より今日のほうが涼しい。

ただそれだけ。

今日、雨が降る。

特に問題なし。

右脳マインドは、ある人が別の人より背が高いと観察するでしょうし、この人はあの人よりお金を持っている、などと観察しますが、こうした観察結果は判断につながりません。

右脳マインドにとっては、わたしたちはみんな、人類という家族の平等な一員なのです。

右脳マインドは国境や、人種や宗教のような人工的な教会などわからないし、気にもとめません。

今回の脳卒中の体験から得た最も大きな「恵み」は、純粋な内なるよろこびの神経回路を若返らせ、さらに強められたこと。

脳卒中のおかげでわたしは、子供のような好奇心をもって、ふたたび自由に世界を探検するようになりました。

差し迫った危険はなく、世界中が安全に感じられ、自分の裏庭のように地球を闊歩しました。

右脳の意識の中では、わたしたちは人類の可能性を秘めた宇宙のタペストリーに織り込まれているのだと感じ、人生の素晴らしさを感じ、ありのままを美しく感じます。

右脳マインドの性格は冒険好きで、豊かさを喜び、とても社交的、言葉のないコミュニケーションに敏感で、感情移入し、感情を正確に読み取ります。

宇宙とひとつになる永遠の流れを気持ちよく受け入れます。

それは聖なる心、智者、賢人、そして観察者の居場所なのです。

直観と高度な意識の源泉です。

右脳マインドは常にその時を生きていて、時間を見失います。

右脳マインドの自然な機能のひとつは、時代遅れの情報が入っている古いファイルを最新のものに更新できるように、今この瞬間に新しい発見の機会を与えてくれることです。

たとえば、わたしは子供のころから南瓜や瓜があんまり好きではありませんでした。

でも、右脳のおかげで、南瓜にもう一度チャンスをあげてもいいかな、と思うようになって、今では南瓜が大好き。

わたしたちは、左脳のところで決断してしまい、なかなか最新のファイルを探すために右へ一歩(つまり、右脳の意識の中へ)進もうとしないのです。

というのも、いったんある決定をしてしまうと、いつまでもその決定に執着するから。

支配権を確立した左脳にとって、自由奔放な右の伴侶と狭い頭蓋のスペースを分け合うことなんて、そりゃもう、許せないことなんだと思います。

右脳マインドは新しい可能性を受け入れて、枠にとらわれず自由に考えます。

左脳マインド(とこちらも同様に呼ぶことにします)が決めた枠内の規則や規制なんかには縛られません。

ですから右脳マインドは、新しいことにトライしようという意欲があり、とても創造的なのです。

それは混沌さえも、創造的なプロセスの第一歩として評価します。

運動感覚があり、機敏で、世界の中で流体のように動くからだの能力が大好き。

細胞が「直観」として伝える微妙なメッセージにも耳を傾けます。

右脳マインドは触って体験して学習するのです。

右脳マインドはひたすらに自由な宇宙を求め、過去や未来の不安によって身動きがとれなくなることはありません。

わたしの生命と、あらゆる細胞の健康を讃えます。

気遣うのは自分のからだだけじゃありません。

あなたのからだが健康かどうか、社会の精神的な健康、そして母なる地球とわたしたちの関係までも気にするのです。

右脳マインドは、(赤血球を除いた)すべての細胞が母親の卵細胞と父親精子細胞が結ばれてできた細胞であり、どれもが天才的な資質をもつ50兆もの細胞の生命力によって巧くつくられていることを知っています!

(そしていつも、右脳マインドはそのことを歌っている!)

右脳マインドは、宇宙が織物のように複雑にからみあい、お互いに結びついていることを理解しています。

そして自分のドラムのビートに合わせて熱狂的に行進するのです。

境界についての知覚が全くないので、右脳マインドはこんなふうに言います。

「わたしは全ての一部。

わたしたちは、この惑星上の兄弟姉妹。

わたしたちは、この世界をもっと平和で温かい場所にするのを手伝っている」。

右脳マインドは、生きとし生けるものがひとつに調和することを思い描きます。

そして、自分自身の中のこうした性格を、あなたにもっと知ってほしいと願っています。』

(奇跡の脳  ジル・ボルト・テイラー

 

 

私たち人間は、現代社会においては、便宜上、左脳優位であることの方が、都合が良い場合が多いので、畢竟、左脳ばかりを使う習慣が身についている人が多いようですが、

左脳の働きが優位であることは、思考、判断、言葉によるコミュニケーション(他者との関わり)、感情を言葉で表現すること、観念、概念などにより、脳内が一杯になっている状態と言えます。

 

ですから、ジル・ボルト・テイラー博士の右脳マインド(右脳の働き)についての体験報告は、私たちの想像できない世界ではありますが、

同時に、実際の体験から導き出されたものなので、説得力のある解説になっていると感じます。

 

それでは、右脳とは別に、左脳の働きとは、どのようなものなのでしょうか?

 

次回は、左脳の働き(左脳マインド)について、ジル・ボルト・テイラー博士による解説を見てみることにしましょう。

 

 

 

 

プリターの息子よ 常に訓練して

至上者(わたし)を瞑想せよ

決して他のものに心を散らしてはいけない

そうすれば必ず至上者(わたし)のもとに来るのだ

 

全知全能なる大宇宙の支配者

最も古く最小のものより微細な万有の維持者

物質界を超えて千万の太陽の如く輝く

難思絶妙なる一(ひとり)の人格神として至上者(わたし)を瞑想せよ

 

ヨーガの行力と不動の信念により

臨終のとき生気を眉間に集中し

満心の思慕をもって至上主(わたし)を憶念すれば

必ずわたしのもとに来ることができる

(バガヴァッド・ギーター第8章8ー10)