永遠の人のもうひとつの呼び名
「先生、社会人として生活していても悟ることができるのですか?」
「誰でも、解脱できるのだ。
だが、霊の教師(グル)の教えに従ってついていくことだ。
曲がりくねった道に踏み込んだら苦しいからね。
そして、解脱するのが随分と遅くなる。
この生涯ではできないかもしれない。
何度も何度も生まれ変わったあとで、やっと成功するだろうよ。。。」
「霊の教師(グル)の教えということをおっしゃっていましたが、グルはどうすれば見つかるのでございますか?」
「誰でもグルになれるわけではない。
しっかりして剛気な木は、自分も水に浮いているが、大ぜいの動物を乗せて運ぶこともできる。
貧弱な木の上に乗っかれば、木も沈んでしまうし、乗っかったものも沈んでしまう。
だから、神様はその時代その時代に、人びとを導くために、自らグルの姿になってこの世に現れ給うのだよ。
サッチダーナンダ*(真・智・喜=実在)こそがグルだ。
智慧とは何を指すか?
そして、ワタシといっているものは何者なのかね?
神のみが行動者で、ほかはすべて何でもない(行動者ではない)。
これを智慧というのだ。
ワタシは何の行動もしない。
あの御方の手に使われる道具だ。」
「ブラフマン智に到達すれば、ほんとうに何が正しいのかわかるようになるのだ。
神のみ実在で、ほかは皆、非実在。
ブラフマンのみ真実で、世界は錯覚。」
(大聖ラーマクリシュナ 不滅の言葉 マヘンドラ・グプタ著 より)
*サッチダーナンダ(サット=永遠の実在、チット=完全円満な智慧、アーナンダ=絶対の至福)
またその上に、アルジュナよ
わたしは全存在を生み出す種子である
動くもの 動かぬものも
わたし無しには存在し得ない
(バガヴァッド・ギーター第10章39)